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YAHAアンプを作った (2)

5年前に作ったが動かないと思っていたYAHAアンプモドキが、棚の奥から出てきた。 測定器が充実してきたので、なんで動かないのか気になり、再度動かしてみたらなんだか普通に動作した(ただし、無信号時にノイズが多い)。 長々と取り組むのも良くないし、一応動いたということにする。

次回、周波数特性を測って終わりにしたい。

今まで

旧Blogに記事を書いていました: [電子工作]YAHAアンプを作った | fenrir's memorandum

外観

基板は青レジストの金フラッシュ仕上げにしたらしい。部品配置は、なるべく左右対象を心がけた。

その他、見た目にこだわりたくなってしまい、無駄に良い部品を使ったりしている。主には以下の3点。

真空管(6922)は、クラシック・コンポーネンツかアムトランス(ラジオストアーに前あったよね…?)で買った気がする。

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作成物

回路図

(今まだどこを参考にさせてもらったのか思い出せていないのだけれど………………………)基本的には参考にしたサイトのをそのまま使用した。 サイズが大きいので拡大してほしい。

  • 端子に過大電圧が入力された場合の保護Diをいれた
  • ヒーター電圧は、原作では定電流で供給しているが、ここでは単純に、抵抗による電圧降下とした(発熱がひどい)
  • 電源周りは、ACアダプタ入力、謎のIC付
  • ボルテージ・フォロワのOPアンプは、回路図上はNJM4560DDだが、実際はNJM4558DDを使用している。NJM4558DDは両電源オペアンプであるが、単電源で使用している。比較的低い電圧の領域では、ボルテージ・フォロワにはならないので注意(4558型オペアンプの出力跳躍現象、自分はまだ動作原理を理解できていない…)

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回路図

今気になっている点

  • 過電圧保護回路は意味あるのか?
  • OPアンプの出力保護抵抗(22Ω)とコンデンサの順番はこれでよいか?
  • そもそもOPアンプは22Ω + イヤホンを駆動できる?

パターン

ベタ表示ありとベタ表示なしの2つ

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表面から(ベタ表示あり)
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表面から(ベタ表示なし)

教訓

基板設計時に、Eagle(CAD)上で部品を置いてからわかったこと(これは上のパターンでは修正済)

  • RCAジャックが前後逆(信号線の名前が表示されないと、分かりようがない。当時の話)
  • スイッチとLEDの干渉
  • VRのつまみを仮設置したところ、イヤホンと干渉
  • ACアダプタのジャックの端子位置を間違えてた(データシートが外形とパターンで向きが逆だった)
  • 巨大な抵抗の他部品との干渉がギリギリ起きない程度だった(配置のクリアランスの問題)
  • ダイオードのランド位置は一緒だけど外形が違った…?

作ってから分かったこと

  • ヒーター電圧生成のために入れている酸化金属皮膜抵抗の発熱が思ったよりも大きい。あまり熱に対して何も考えずに設計してしまっていて、近隣部品に影響がないか心配(発熱にも気をつけよう
  • ケースを考えて設計していない入出力端子が全体的にイケていない
    • 基板上に入出力端子を設けている以上、ケースの奥行きと基板の奥行きが一致しないといけないが、何も考えていなかった
    • RCA端子はまだしも、入力のイヤホンジャックが後ろにあるのはとても不便
    • スイッチをパネルにどうつけるのか…
  • 可変抵抗、時計回りに回した時、1-2が増えるのか、2-3が増えるのか分からなかった。結果、反時計回りに回転すると音量が上がるようになってしまった

今後

とりあえずケースに入れたい…。それと、一応増幅回路であるので、特性を把握したい。具体的には、下記4つ。

  • 周波数応答曲線(系の周波数応答関数H(jω)のうち、絶対値|H(jω)|のみで、位相∠H(jω)は無視する*2
  • 高調波歪み(Total Harmonic Distortion
  • 全高調波歪+ノイズ(Total Harmonic Distortion plus Noise, THD+N)
  • 過渡応答

他にも、回路の特性を示す指標としてS/N比などが挙げられるが、測定できるのかどうかもわからないし、今回は却下。

最後の過渡応答は、普通挙がらないと思うが、過渡応答の研究をしていたせいで気になってしまうので挙げた。 基本的な増幅回路では、過渡応答は無視できるくらい直ぐ減衰するため、気にされていないと思われる。 しかし、過渡応答が無いということもない気がする。

THD・THD+Nの測定には、本来であればひずみ率計という測定器を使うと思う*3。 ただ、そんなものは持ち合わせていないので、WaveGene + WaveSpectraで済まそうと思う。 WaveSpectraはFFT方式のアナライザなので、測定には少し欠点があるのだが、それは後述する(大きめに出るなら、上からおさえられるということで…)。

リンク

*1:マザーボードに低ESRコンデンサがよく使われていると思うけれど、昔からかっこいいなあと思っていたから

*2:位相は人間の耳であまり感知できないと思っているのだが、通説はどうなのだろうか。少なくとも、WaveGeneで少し試してみた限りでは、私には位相の変化は全然分からなかった

*3:THD+Nなら、全実効値 - 1次の実効値でいけたりするのかな