働きたくない

5000兆円欲しい

スペクトラムアナライザ(HP 8560E)を購入した

スペクトラム・アナライザを遂に購入しました。 購入前後で色々付随することをしたので、まとめます。

購入したスペクトラム・アナライザ

  • Hewlett-Packard(→ Agilent Technologies → 現Keysight Technologies*1)の8650E
  • TG(Tracking Generator)オプション付
  • 購入はヤフオク(計測器というものは、量を絶対的に正しく計測できてこそ意味があるとは思うのですが、如何せん高いのと、現状大雑把に把握できれば良いかなと思って中古です)

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購入したHP 8650E

購入の諸々

そもそも要る?

  • オーディオ帯だけなら、PCのオーディオ入出力と、フリーソフト「WaveGene」「WaveSpectra」の組み合わせはどうか
  • SDR-likeなスペアナはどうか(そこそこ見たいものは見れるし、比較的安価。古くからのGigaSt(生産中止)、おじさん工房のAPB-1とか、OSA103 miniとか)
  • 回し者ではないですが、KeySightの「InfiniiVision 1000 Xシリーズ オシロスコープ」(「G」モデルのみ)なら、周波数応答アナライザが付いています。『1000 Xシリーズの周波数応答アナライザ機能は、学生がパッシブRLC回路やアクティブオペアンプの利得/位相性能を理解する上で非常に役立つツールです』とあります。欲しいのは正にこれではないですか?私は購入後に知って結構後悔しました。
  • 新品で良いのではないか(最近は新興メーカーの安価なスペアナがある:RIGOL DSA815-TG、OWON XSA1015-TGなど)
  • スペアナでは位相特性は計測できないようです。ネットワークアナライザが欲しいのではありませんか

探すときに重要視した点

  1. 安いこと

言わずもがな

  1. TGオプションが付いていること

これがないと周波数特性(|H(jω)|)がうまく計測できない。 もっとも、自分の信号発生器ではホワイトノイズ(パワースペクトル密度が周波数に依らず一定)を発生できるので、それを被測定回路に入力することで測定できなくはない*2。 ただ、60MHzが上限という問題があり、VHF帯の受信機の回路特性を知りたいなとちょっと思って、TG付きにした。

使ってみても、やっぱりあると便利だと思う。主に下記の点で。

  • (再掲)スイープ可能な周波数範囲が段違いに広い
  • CAL THRU校正できる(被測定回路抜きで特性を測り、そこに含まれるケーブルなどの周波数特性を含めないようにできる。さもないと、自分で引き算する必要がある)
  • TGの出力レベルを基準としてノーマライズできる(基本的には、被測定回路の特性が+/-何dBかを見たいので、基準レベルを設定できると視認しやすい)

  • 測定周波数の下限が可聴周波数の下限程度(オーディオ帯)であること

スペアナだとあまりないが、9kHz~とか、ネットワークアナライザだと10MHz~とかがある。 一方で、オーディオ系回路も測定したいと思っていて、下限には気をつけた。

ヤフオク

(ebayという選択肢もあります)

探す時に気をつけた点

・「TG付」には慎重になる

・「TG」「トラッキング・ジェネレータ」でフィルターしない

書いていない時もある。また、オプション番号のみを「OPT 002」と書く人もいて、フィルターが難しい。

・「TG付」と書いてあっても、ちゃんとTG付でのみ存在するTG出力コネクタがあるか写真で確かめる

eBayも見ていたんですが、1つこういうのがありました

・お得そうに見えても、Calibrationやその他エラーが出ているものは諦める

動かないのは困る

・通電時のモニタの写真がないものも諦める

同上。せめて、表示に問題がない(エラーの表示がない)こと、ノイズフロアが変に高くないことくらいは確かめたい。

・入出力インピーダンスが75Ωのものも諦める

一般的には50Ω…(50Ω ⇔ 75Ωのインピーダンス変換器を、TG出力後とRF入力前に必要とするが、挿入損失ガーとかめんどくさそう)

出品状況

その上で、スペアナ全体の出品数に対し、TG付の出品数は少ないので、意外と長期戦になる覚悟をする。 比較的多く出品されているのは以下だと思う。

  • HP / Agilent(8650Eシリーズと、Agilent ESAモデルがある。後者のTG付きはeBayでだけ見かけた。8650Eシリーズ以前は安めだが輪にかけて巨大)
  • ADVANTEST(ほぼTG付。ただし動作品30万が大半。未確認・NC・NRで10万弱というのはあまりない(ブラウン管モデルとか、古いやつくらいか?))
  • アンリツ(出品数少なめ)

購入後に確認した点

  • 基本的なボタンの動作チェック:Freq, Amplitude, Spanの他、ATT, 結合, などなど。校正信号を使った
  • スペアナそのもののチェック:SG・SSGで色々信号を入力し、問題ないことを確認
  • TGの出力チェック:一旦オシロでざっと確認した。その上で、スペアナに繋いだ

購入時に気付かなかったこと

・TGの下限(300kHz) ≠ 測定周波数の下限(30Hz)

つまりオーディオ帯は無理。まあ、ええねん…

・アクセサリが高い

盲点だった。後述

合わせて買ったもの

意外と多かった。出費も馬鹿にならなかった。 商品名は会社ごとに異なってしまうので、ちょっとゆれを考慮した検索が必要。

通番 商品 製造元 型番 購入先 コメント
1 DCブロッカ / DCカッター テクシオ・テクノロジー ADB-002 モノタロウ スペアナは(特にDCの)過大入力に弱いらしい。もちろんスペアナ自体にこの機能があるが、OFFにも出来るので。本当は多摩川電子のCD1001が\5,500で安いが、売り切れていた
2 アッテネータ(10dB) トーコネ BA-PJ-10 モノタロウ スペアナを壊したくない一心で購入…。あと、高ゲインアンプを測定する際、TG側に必要になるかも?
3 アッテネータ(20dB) トーコネ BA-PJ-20 モノタロウ 同上
4 抵抗整合器 スタック電子 PD003 モノタロウ 直接は関係ないが、50Ω出力をハイ・インピーダンスオシロに入力できるようにする変換器。中身は抵抗が1つと単純
5 N型コネクタからの変換コネクタ - - 秋月電子通商 スペアナがN型コネクタだったので変換プラグが必要だった
6 BNCケーブル 0.5m - - 秋月電子通商 測定器と被測定回路を結ぶのに必要
7 BNCコネクタ - - 秋月電子通商 今まであまり測定を考えずに作っていたため、必要に
8 片側BNCミノムシ クリップ CONTEC BNC-W60 モノタロウ 良し悪しに議論がありそうだし、そもそも自作もできそうだが
9 BNC→3.5mmモノラル変換アダプタ COMON BNC-35M(P) フタバヤ楽天市場 -

他に、買っていないが、以下があると便利だと思う。

その他、スペアナ入門用の本を購入した。

スペクトラム・アナライザによる高周波測定, 高橋 朋仁, CQ出版, 2010.

リンク

*1:ややこしい

*2:機械系の実験では、共振を防ぐためにこうした記憶がある