働きたくない

5000兆円欲しい

パワー・スプリッターを作った

動機

アンテナからの信号を2分したかったため(まだ受信機は1つしか無いけれど)。

回路

50Ω抵抗×2だけの簡単なものなので省略。

似た回路に「パワー・ディバイダー」(16.6Ω×3)がある。違いは下記。 今回は受信機間での信号のやり取りはない(むしろ相互に影響を及ぼさないことが望ましい)のでスプリッターにした。 https://www.keysight.com/main/editorial.jspx?ckey=524913&id=524913&nid=-11143.0.00&lc=jpn&cc=JP

本当はトランス式(これとか、あるいはMini-circuitで売っていそう)の方が良いのかもしれないのですが、抵抗式の方がとりあえず作るには簡単であること、トランス式だと周波数特性が下側にどこまで伸びるのかが懸念材料であることから、抵抗式にしました。

製作

回路図は至ってシンプルなのですが、実際に形にしようとするとケースに入れざるを得ず、そこが面倒です。

材料
モノ メーカー 型番 個数 購入先 価格
アルミ・ダイキャストケース タカチ TD5-8-3N 1 エスエス無線(ラジオ・デパート) メーカー希望790円
同軸ケーブル 不明 1.5D-2V 30cmくらい 在庫品を使用 -
抵抗51Ω 1/4W 不明 不明 2 在庫品を使用 -
BNCコネクタ COSMTEC RESOURCES CO., LTD B-012 3 秋月電子通商 170円×3
ねじ(ナベ, M3×8~10) 不明 - 12 monotaRO 忘れた
圧着端子(M3) 不明 - 4 monotaRO 忘れた
スプリングワッシャー(M3) 不明 - 12 monotaRO 忘れた
ワッシャー(M3) 不明 - 8 monotaRO 忘れた
ナット(M3) 不明 - 12 monotaRO 忘れた

もはや機構部品のほうが多いです。ネジとか…。

圧着端子は1.5D-2Vのシールド側の線を付けるのに使いました。ハンダが乗ってネジに通せれば何でも良いと思います。

アルミ・ダイキャストケースの選択

おなじみのタカチのアルミ・ダイキャストケース「TDシリーズ」より、TD5-8-3Nを使いました。 いつも使っているTD4-6-3Nに次いで、2番めに安いケースです。 本当は小さいに越したことはないのでTD4-6-3Nにしたかったのですが、出力1と2は同じ面にあってほしく、TD4-6-3Nではギリギリだったため諦めました。

(あと、細かいですがTD4-6-3Nは微妙に高さが低く(外形の高さ27mm。TD5-8-3Nは30mm)、秋月のパネルマウント用BNCコネクタ(角座4穴, B-012)を付ける際に寸法がギリギリでしんどかったのもある)

アルミ・ダイキャストケースの加工

制作時間は2時間弱でしたが、そのうち1時間はアルミ・ダイキャストケースの加工でした。 電子工作というよりは機械加工、板金工作のようなもんです。

本当は精度良く穴あけできないといけないのですが…私の腕では結構ずれてしまうので、次のようにやっていました。 BNCコネクタを装着した上で、ネジ穴の上からドリルで穴を開けています。

  • まずメインの(真ん中の)穴をあける。Φ10
  • BNCコネクタを一旦セットし、止めねじ用の穴の中をマジックで黒塗り
  • 黒塗りした箇所のうち1つのセンターにポンチを打ち、M3.2で穴あけ(M3のネジを通すので、バカ穴と思って3.2)
  • 開けた穴を通じてネジで止める(きつめ)
  • 対角線のネジ止め穴を、BNCコネクタをセットしたままM3で穴あけ
  • ここもネジ止め(これで対角線が固定されるので後はあまり動かない)
  • 残り2箇所をM3で穴あけ
  • ネジが4箇所入ることを確認したら外す

あと、アルミ粉がついていると嫌なので、加工後は一旦水洗いしよく乾燥させています。

完成図

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(左)加工したアルミ・ダイキャストケース(ボケていますが…)(右)配線終了時

なるべく51Ωの抵抗はリード線を短くしました(インダクタンス分をへらすため)。 また、コネクタ~抵抗間は同軸ケーブルにしました(裸のスズメッキ線では特性インピーダンスが50Ωから離れると考えて)

測定

正しくできているかどうか測定します。 簡単な回路なので理論値が有り、周波数特性はフラットに-6dBになるはずです。…そのはずだったんですが。

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周波数特性

思ったよりガタガタしてしまっています。 もともとあまり高い周波数に使う気はないのですが、50MHz以下ではそもそも6dBも減衰していません。もう片方のchから漏れがあるんでしょうか。うーん。

とりあえず今は測定したまでで終わってしまっていて、なぜかは今後の課題です。(雑)