Rhode & Schwarzなどが、自動で共振周波数をチューニングするダイポール・アンテナを出している(と思っている)。
どういう仕組みなんだろうかと思い、ふと思いついたのが、ローディング・コイルを電気的にビシバシ切り替える方式だったので、本当に実用的か実験した。
(ATUみたいに、マッチング回路のL・Cを変えるというのもあるとは思う…そっちか…?)
基板
回路図は単純なので省略する。 なんというか、可変アッテネーターのように、スイッチがたくさんあって、それぞれ導通かコイルかを選ぶ、というもの。
コイルは、秋月電子通商に売っている、アキシャルリード型のコイルを使った。 E6系列しかなかったので、インダクタンスは1.0μH, 1.5μH, 2.2μH, 3.3μH, 4.7μH, 6.8μH, 10μH, … , 220μHで15個である。
地味にスイッチ30個のはんだ付けは疲れた…(3時間位かかった。コイルの実装がアレなこともある)。
ダイポールなので一応バランが必要だが、実験なので、簡単にフロート・バランとした。5ターン。
結果
祐徳電子から購入したDPのセットにつないで実験した。
- 何も繋げなければ、24.3MHzに共振するDP
- ローディングコイルのインダクタンスLが増加するほど、DPの共振周波数は低下し、ローディングコイルも含めたアンテナのレジスタンスは増加する
- SWRは、一旦低下し、33μHで1.3となったあと、増加に転じる。増加するのは分かるが、最初なぜ低下する…?バランか…?
- 1μHのローディングコイルでも、24.3MHz → 18.0MHzと6MHzも共振周波数が低下した。この方式では、あまり高周波帯には向かないかもしれない
Load[μH] | Freq[MHz] | SWR | Re[Ω] | Im[Ω] |
---|---|---|---|---|
0 | 24.301 | 2.99 | 21.5 | 16.8 |
1 | 18.004 | 3.44 | 15.2 | 12 |
1.5 | 15.6048 | 3.25 | 16.2 | 11.4 |
2.2 | 13.603 | 3.13 | 16.0 | -3.61 |
2.5 | 13.203 | 3.17 | 15.7 | -1.24 |
3.2 | 12.203 | 3.07 | 18.4 | 17.1 |
3.3 | 11.8041 | 2.48 | 20.5 | -7.13 |
4.7 | 10.204 | 2.57 | 20.7 | 11.9 |
6.8 | 8.805 | 2.02 | 25.1 | -6.25 |
10 | 7.206 | 1.81 | 28.7 | 9.04 |
15 | 5.807 | 2.14 | 44.6 | -36.4 |
22 | 4.807 | 1.60 | 57.7 | 24.4 |
33 | 4.008 | 1.30 | 60.3 | -10.6 |
47 | 3.553 | 1.52 | 67.0 | 17.8 |
68 | 2.704 | 2.05 | 92.5 | -26 |
100 | 2.405 | 99.2 | 3.59 | |
150 | 1.856 | 2.69 | 127.0 | -29.3 |
220 | 1.606 | 3.36 | 168.0 | -1.13 |