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2187.5kHzのデジタル選択呼出(DSC)をデコードする

記事にするほどの話でもありませんが。

夜に2MHz帯を眺めていると、2187.5kHzに時々強い信号が立つことがあります。 これは、GMDSSの一部(?)である中波帯デジタル選択呼出信号です。

GMDSSについては詳しくないのでここには書きません(DSCのプロトコルもよく分かりません…ITUで決まっている?)が、とかく短波の洋上管制のセルコールとは異なり、F1B(FSK)のデジタル信号(100baud, サブキャリア1700kHz?)の送信のみで、音声はありません。 そのためデコード出来ないと全く面白みがないのですが、探したところフリーのデコードソフトが見つかったので試してみました。

デコード

以下のYouTube動画を参考に、YaDD DSC decoder(このページの下の方からDL)というソフトをインストールしてデコードしてみました。

www.youtube.com

ある日曜日の午前2時台に、実際に受信してみた結果です。 多い時には1分間に1回以上の呼び出しがありました。

内容は、日本国内だと船舶 → 海上保安(横浜・塩竈・新潟)の呼び出し。国外だと、中国の上海・韓国の木浦・露のウラジオストクへの呼び出しがありました。 一方、海岸局からの応答(ACK)は上海だけでした。

呼び出しだけであって、具体的なデータの送受はいまいちしていなさそうに見受けられます…。

とはいえ、基本的にA1海域(GMDSSでは海を4領域に分け、そのうち陸から25海里)ではVHFだと思うので、A2海域の船とは思うのですが、意外とよく届くものです。

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制度の不明点

ところでGMDSSにおける2187.5kHzの位置付けがよく分かっていません。 遭難信号以外の通信にも使う、という認識であっているのでしょうか。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jime2001/42/5/42_5_858/_pdf

(2)中距離サ ー ビス 中距離サービスには中波(2MHz帯)が使用される. 船対陸, 船対船, 陸対船の通信には, 2187.5kHzがDSCに よる遭難警報及び安全呼出しをするために使用される. また, 2182kHzは, 遭難通信(SAR調整通信と現場通信を含む)に使用され, (略)

あと、下記PDFを見る限り、日本では2187.5kHzは遭難以外で使われているようには思えない(2177kHz(船舶→海岸)、2189.5kHz(海岸→船舶)でデジタル選択呼出)のですが…。

5 送信電波の欄の各周波数は、以下に掲げる通信に使用する。
(1) F1B電波2,177kHzについては、デジタル選択呼出装置による通信
(2) J3E電波2,150kHz及び2,394.5kHzについては、デジタル選択呼出装置による通信に続く無線電話による通信

https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/material/dwn/3-1.pdf

未だかつて、東京保安(JNA)をはじめとする各保安とのJ3E通話は聞いたことがない…。