ヤフオクでLORAN-C用のアンテナカプラーとアンテナが出ていた。珍しいと思い、落札した(5,000円)。
日本は既にLORAN-Cは停波しているが、韓国などはどうなんだろう。ちょっと気になっているのもあった。
アンテナは2m×2本に分割されたが、それでも長尺物であり、送料が高くついた…のか?(過去の取引で、ヤフオクから確認できなくなっていた…)
アンテナカプラー(NFG-800)の分解
設置に先立ち、まずアンテナカプラーの仕様がよく分からないので、分解し、回路図を起こした。
写真でも分かるように、コイル・トランスが6つ使われているのが特徴か。
回路としては、2SK170のソースフォロワー+2SC2240による増幅の模様。
2SK170は低周波低雑音増幅用のNch J-FETで、超低雑音・高入力インピーダンスが特徴で、イコライザアンプ, MC ヘッドアンプの初段に適している、とある。
2SC2240は、「NPN低周波低雑音トランジスタで低信号源インピーダンスでの雑音指数を小さく設計しており、さらにパルス性雑音が小さく、ステレオやテープデッキなどのイコライザアンプの初段低雑音増幅用として高 S/N 比特性の実現を容易に」するものらしい(データシートより)。
コイルのうち、T2, L2, L3で3次BPFか。
L1はアンテナの入力インピーダンスを上げる工夫なのだろうか?その分T2とで分圧されてしまう気がするが…。
最後のC5・T1は(R8はQをわざと下げる)LC共振回路となっていて、3mH // 820pFで大体共振周波数101.5kHzくらいらしい。
一番わからないのは段間のLCR回路(C10, C11, L2, R6, R7)。 ここだけ高精度抵抗とスチコンが使われ、L2には115.934kHzというシールが貼られているが、これでフィルタなのか…?
あと、地味に入力の68pFがマイカコンデンサ。特性を求めた…?
構造上の工夫として面白いのは、ケース内側のアンテナとの接続部がイヤホンジャックであることと、基板上で同軸ケーブルを押さえる金具か。
さて、これは12Vをかけてよいのだろうか…。
アンテナの設置
アンテナは、大体長さ4mでグラスファイバーのような素材でできている。 アンテナの下部から、O型の圧着端子のついたリード線が1つ出ている(つまり、リード線と根本的には変わらない)。 これは低周波ゆえか。
構造としては、2つに分割できる。接合部は金属製になっており、上側は雌ネジが切られているので、これを雄ネジの切られた下側にねじ込む。間にはナットが1つ。
アンテナの根本は、固定用と思われる、素材が異なる部分がある(直径26.5mm 長さ26.3cm)。これを、D130か何かについてきたマウントを使ってつけた。少し押し広げる形で無理やりねじ込んだので、あまりナットとネジの重なる部分が大きくない。要点検。
ちなみに、市販であれば以下の金具が使えると思う(一般的な直径32mmではないため少し困った)。いまいち、どういう名前でググればいいのか分からないため、見逃している可能性もあるが…。
- 小田原無線で売っている「GP取付金具中」。~直径35mmまでだがネジ止め式なので
- コメット CMB-26。ただし、直径32mm用なので、何かをアンテナの周りに巻いて、直径をかさ増ししないとだめかも
- ノーブランド Uボルト取付金具 クランプ。
- 第一電波工業「ステンレス製アンテナ取付金具 S-3」
- 日本アンテナ「A-1型取付金具(2個入り)」
実際設置してみると、想像以上に長い。まさに漁船の上に突き出たアンテナだ。一般のご家庭だと、まあ、目立つ。
アンテナカプラーは直径42.35mm 長さ15.47cm。