働きたくない

5000兆円欲しい

JJY(40kHz)のAirspyによる受信 (2)

前回の続き。2SK241を用いた増幅回路が動かない原因が分かった。

増幅回路が動作しなかった原因

コイルが断線していた…。気づいたのは、コイルの特性を疑って、等価回路算出のために等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance)をテスターで測ったところ、MΩのオーダーと著しく高かったため気づいた。

ちなみに、最初はコイルの自己共振周波数が40kHz以下であることを疑っていた。 コイルの自己共振周波数は、現実のコイルが理想的なコイル(インダクタンス成分のみ)と異なり、C成分が生じてしまうような構造をしているため、生じる。 自己共振周波数を超えてしまうと、Cが支配的になり、出力 ≒ Vccになる?

対応

部品箱にあった、ラジアルリードタイプのコイル(270μH。TDKELシリーズに近い)に交換した所動作した。

効果

JJYの信号は少しだけ鮮明になった。どちらかというと、コイルのためか低周波帯の信号が増幅されにくくなった。

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チョークコイルを負荷とした増幅回路を通じ受信した場合
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コイルの代わりに抵抗負荷とした場合

反省点

  • 物理的構造がやわいコイルは、特性云々の前にまず断線の可能性があることを押さえておく
  • 高周波チョークコイルには、高周波と言われるだけの特殊性がある(フェライトコアを入れるとか)。部品を買う際にはそこを押さえる

その他

  • ブロックごとに分離できるように、基板上で組まないと、動作を確認したりテストする際に非常に取り扱いが面倒。電子工作でもオブジェクト指向に。こういう試作にはFCZ基板が便利だなと思った

今後

2つの方針がある。

  1. このコイルを、LC同調回路に変え、選択度を増す
  2. 初段の増幅回路をOPアンプにしてみる(40kHzだし)

前者のためには、コイル選びが必要そう。 一番向いているのは、FCZ研究所*1の特殊コイル 07S40Kだろう。 ただ、FCZの05S/07S/10Sシリーズと異なり、入手が難しい。 なので、455kHzのIFT用コイルを購入し、Cを外付けし増やすのが楽かもしれない*2。 ただし、同調周波数の調整が必要になる。最近スペアナを購入したので、練習も兼ねてそれで測定してみたい。

後者は、そこそこの帯域幅(GB積)、また受信した信号が弱いため低ノイズのOPアンプが良いのかと考えた。 とりあえず秋月で買ったAD8656やNJU77701Fで試してみたい。

*1:解散してしまったんですね。今回調べていて知りました。

*2:ただし、LC並列な同調回路では、f ∝ C-1/2なので、fを1/10倍するためには、Cを100倍しないといけない。結構ずれそう